八咫烏は「生」と「死」の狭間を生きる絶対の存在、そして約定を破り、裏切った者を呪い殺すという。
「大奥」という愛憎や嫉妬、怨念渦巻く世界において、正義でもなく悪でもない絶対的な権力をもち、大奥御法度に背いた者を一切の情を挟むことなく断罪する「大奥総取締」の打掛。
羽根を悠々と広げ、嘴を掲げ、爪を立てて威嚇する八咫烏を背後に描き、八咫烏の持つ力をその身に纏う。常に背後にも睨みを利かせ周囲の者たちを傅かせる。
白地に黒を基調とし金と赤を挿し色に、荘厳で勇ましくも美しい八咫烏を描き、裾には花びらと羽根を散らし、裾を翻すたびに羽根が舞い散る様を描いた。
身丈:6尺
技法:捺染
素材:金糸入り絹、酸性染料、金泥、銀箔/金箔
孔雀は「悪喰」と言われあらゆるモノを屠る。また「傲慢」の象徴とされる鳥。大奥に渦巻く憎悪や嫉妬、憤怒、怨念を食らい尽くし豪華絢爛に着飾り驕り昂る側室。良家の出でない女が大奥の怨念を食らい自らを大きく見せようと絢爛な衣装を身に纏う。
孔雀の本体を中心にし、尾羽を広げ、権力を誇示する。
尾羽には孔雀の羽根の模様だけでなく、「極楽鳥花」の花や葉を組み合わせてより豪華な姿を描いた。
常に尾羽を広げている孔雀の傲慢さと、どんなことをしてでも上に登りつめるという執念をその身に纏う打掛。
身丈:5尺
技法:友禅染め
素材:浜ちりめん、酸性染料、金箔
雀蜂の世界は女王の元、働き蜂の殆どがメスである。
巣の中では、それぞれに役割があり決まりが定められ、女王とその子孫のために忙しなく働く。
大奥の仕組みもまた同じ。しかし、そこには互いを蹴落とす戦いと策略が常に闊歩している。
大奥という女性だけの空間、雀蜂のメスが優位に立つ空間。
そして蜂が持つ毒針と大奥の女性がもつ蜂の毒にも勝るほどの憎念、嫉妬という猛毒の針。
鬼灯の実を蜂の巣に見立て、表面に雀蜂の巣の模様を描いた。
人を死に至らしめる雀蜂の毒をその身に纏う打掛。
身丈:5尺
技法:友禅染め
素材:浜ちりめん、酸性染料、金泥
清姫は恨みと裏切りによって蛇となって執拗に男を追い殺した。
私は己が野心と変わりなき世を叩き割るために蛇となって執拗に追い求めよう。己が理想を叶えるために。
人の命を喰らい薄紅色に染まる桜。これより始まる壮絶な戦いを彩る開戦の華。裾より蜿蜒と這い出でる蛇はその喉元に喰らいつ
き血を啜る。大望近づくにつれ、桜はより色濃く贄となった者たちの血で染まってゆく。
裾より蛇が這い出でるように構図を配置し、「道成寺」にて用いられる蛇鱗文と桜の華をモチーフにして描いた。
蛇の如し執念をもって挑む覚悟と野心をその身に纏う打掛。この打掛は京の宮中より江戸城大奥に上臈御年寄りとしてやってくる際に纏う打掛。
身丈:6尺
技法:捺染
素材:絹/梨地、酸性染料、金泥
鯉は滝を昇りて龍となる。「後漢書」の故事に由来する「登竜門」は、成功に至るための乗り越えなければならない険しい関門を意味する。
滝は逆境と苦難、恥辱と罵倒、そして世の中の流れと言の葉ありとあらゆる人の醜さを見つめ、謀略を巡らせて、必ず昇りつめ私は龍となる。
この打掛は将軍より「大奥総取締」に任命される晴れの場の打掛吉祥文となる五節句を象徴する植物「松」「桃」「菖蒲」「笹」「菊」と鯉の滝登りをモチーフとして描いた。
あらゆる困難を乗り越え龍となる鯉に自身を重ね、流れに逆らい自身の誇りと大望のために、戦い抜く不屈の精神を纏う打掛。
身丈:6尺
技法:捺染
素材:金糸入り絹、酸性染料、金泥、銀箔/金箔
清姫は恨みと裏切りによって蛇となって執拗に男を追い殺した。
私は己が野心と変わりなき世を叩き割るために蛇となって執拗に追い求めよう。己が理想を叶えるために。
人の命を喰らい薄紅色に染まる桜。これより始まる壮絶な戦いを彩る開戦の華。裾より蜿蜒と這い出でる蛇はその喉元に喰らいつ
き血を啜る。大望近づくにつれ、桜はより色濃く贄となった者たちの血で染まってゆく。
裾より蛇が這い出でるように構図を配置し、「道成寺」にて用いられる蛇鱗文と桜の華をモチーフにして描いた。
蛇の如し執念をもって挑む覚悟と野心をその身に纏う打掛。この打掛は京の宮中より江戸城大奥に上臈御年寄りとしてやってくる際に纏う打掛。
身丈:6尺
技法:捺染
素材:銀糸入り絹、酸性染料、銀泥/金泥、金箔
大奥は絢爛な翅を纏う蝶が犇めきあう虫籠だ。
ある者は嫉妬に、ある者は権力に、ある者は情愛に狂い舞う。悲しみ、憎しみ、恨み、妬みの鱗粉を撒き散らしながら。見るも憐れな蝶の羽ばたきは人を引きつけ離さない。新たな捕らわれ人を虫籠に誘う。限り無く続く愛憎の物語を紡いでいく。
大奥という空間を虫籠に例えたもの。
蝶一羽一羽が今まで大奥で散っていった者たちの無念と憎念の化身であり、また大奥に集った者たちの羨望の化身として描いた。
大奥総取締として、数多の女中たちの情念と羨望を束ね、その道しるべとして立ち続ける者としての打掛。
金屏風に群青という日本画の組合せから至った配色と蝶の翅を纏うようにデザインした打掛。
身丈:6尺
技法:捺染
素材:銀糸入り絹、酸性染料、金泥、金箔
大地を悠々と翔け、地を統べる獣類の王たる「麒麟」
天空を傲岸に舞う、空を統べる鳥類の王たる「鳳凰」
世を絢爛と飾る、花の王たる「牡丹」をその背に纏う。
その真意は絶対的権力。どのような正論と道徳を語ろうとも、善行を行おうとも、権力が無ければどんなことも無力に等しい。
権力が無ければ、正しき事などできない。それが世の道理。
小奇麗な正義や小手先の善意などに誰も憧憬など抱かない。夢も望みも皆無な有様だ。
正義が勝つのではない・・・勝ち生き残ったものが正義なのだ。
良き政治を行う者の元に訪れる逸話の麒麟と鳳凰を背中全面に金銀をふんだんにあしらい、サクセスストーリーの最後を絢爛豪華に飾る。清濁極め、人の臨界を超えた王者の装束として作った。
自らの身に絶対的な権力を纏う覇者の打掛。
身丈:6尺
技法:捺染
素材:金糸入り絹、酸性染料、金泥、銀箔/金箔
龍宮城という夢幻の世界。その使いとして表れる「リュウグウノツカイ」。広大なる海の底にある夢幻の桃源郷。数多の極彩色の花が咲き人の魂を捕らえ夢幻の住人にする。
もう二度と現実の、地上の世界には戻れない。
現実への違和感、夢幻への憧憬、深海の夢幻より這い出る使いによってその魂は本来の世界に辿りつく。
「浦島太郎」の龍宮城と深海魚の「リュウグウノツカイ」を題材に夢幻の世界を描いた。泰山木の花をクラゲやヒトデ、珊瑚のように描き、夢幻の世界へ誘うように背景に溶け込まして「リュウグウノツカイ」を描いた。
身丈:4尺5寸
技法:捺染
素材:浜ちりめん、酸性染料、焼き箔
蝶になる夢を見た。だが、もしかすると今の自分は蝶が人となっている夢ではないか? 夢と現の区別が定かでない境地。
自らの存在する世界がはたして本物であるか、自身の存在すら幻であるか?
しかし、そこに意味はなく、我々の存在も意味などない。意味がないとしることもまた無意味である。
何種類かの蝶と胡蝶蘭を描いた。月輪の下に胡蝶蘭の狭間から見える空間の裂け目。夢幻の世界への入り口が開き、蝶たちが我々を誘う。蝶の儚さに現実で生きる私を重ねる。
身丈:4尺5寸
技法:捺染
素材:浜ちりめん、酸性染料、金箔
軽井沢の森に自生する山百合の花。スッと人の丈ほどまで伸びた茎の先にその茎が折れそうなほどに子供の顔ほどの大きさの花がたわわに咲き誇る。
辺りには甘い百合独特の香りが漂い、夜になるとより一層香りが強くなり、闇夜に存在を主張する。
スケッチを元に、自然が生み出す形を活かし、百合の花のラインをしっかりと持たせて描いた。
見ただけで、百合の一定の概念の香りを人に意識させるように描き百合の花そのものを纏うような着物となる。
身丈:4尺5寸
技法:捺染
素材:金糸入り絹、酸性染料、金泥/銀泥、金箔
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身丈:6尺
技法:捺染
素材:金糸入り絹、酸性染料、金泥、銀箔/金箔
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身丈:6尺
技法:捺染
素材:金糸入り絹、酸性染料、金泥、銀箔/金箔